気流
2022年10月15日
「グループ討論は業種や経験も様々な人と経営を語り合えるのが魅力。しかも道研は全道規模!」と語ったある経営者は、父である社長が亡くなり会社を引き継いだものの、経営の相談相手がいませんでした。当時参加した道研のグループ討論でベテラン経営者と同じグループとなり、若い自分の話にも親身になって耳を傾け、経営者として考えの甘さに気付かせてくれたことを今でも感謝していました。
同友会のグループ討論は参加者が経験や知識を持ち寄って本音で議論します。学びを自社に持ち帰り実践し、そこで浮かび上がった成果や課題を再び例会に持ち寄ることで互いに学び、深め合う循環が生まれます。有意義な時間にしようと、自説を長々と語る、望まれていない解決策を提示するなど独りよがりな姿勢は慎みたいものです。
二宮厚美神戸大学名誉教授は『新版 共に育つ2』(中同協)で、本物の対話的コミュニケーションとは建前ではなく本音が出る対話の中でこそ進んでいく、その前提として「豊かな会話は上下関係のあるところには生まれない」と指摘します。前述の経営者が参加した討論も、年齢やキャリアを気にせず、安心して発言できる雰囲気があったのでしょう。
企業における労使のコミュニケーションにおいても同様です。本音で語り、共感・応答し合うことは人間の成長意欲を高める場づくりでもあります。ぜひグループ討論で実践してみませんか。