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【速報】景況感改善も依然厳しく 円安急進、物価上昇で先行き見通せず/2022年4-6月期景況調査

2022年08月15日

 中小企業家同友会全国協議会と北海道中小企業家同友会が四半期ごとに実施している景況調査結果(20224―6月期)がこのほどまとまりました。全国では2200社中892社が回答。北海道では661社中239社から回答を得ました。この結果について、北海学園大学経済学部の大貝健二准教授(中小企業論)にコメントを頂きました。(DI値は特に断りのない限り前年同月比、はマイナス、①―④は四半期)

 


 

 北海道中小企業家同友会が実施した22年第2期(4―6月)景況調査では、業況判断DI(前年同期比)は前回調査から260大幅に改善し、22であった。同DIが水面上に浮上したのは、19年第3期以来である(図1)。

 

 

 

 日銀短観や中同協DORなどの調査においても、今期は大きく改善している。とはいえ、これらの改善は素直に喜べるものではない。というのも、214―6月期は、コロナの感染拡大に伴う緊急事態宣言、及びまん延防止措置等重点期間であったためである。そのため、前年同期比で改善しているのはある意味当然のことと言える。そのため、今期においても調査時点の足元の景況感を示す業況水準を基に、景況感を判断したほうが良いと思われる。今期の業況水準は、前回調査の▲311から148の大幅な改善を示したが、▲163にとどまっている。依然として景況感としては厳しいと見て良いだろう(図2)。

 

 

 今期の景況調査から見える懸念材料は大きく3つある。1つは、天井を知らない仕入価格の継続的な上昇である(図3)。仕入単価DIは818と前回調査から103も大幅に上昇している。また、同DIは、08年の世界同時不況期においても755であり、80を上回ったのは初めてのことである。確かに、販売単価DIも159もの大幅な上昇を示してはいるが、両指標のギャップは縮小していない。仕入単価上昇分の販売単価への転嫁は、非常に限定的であると理解して良いだろう。

 

 

 2つ目は、建設業の停滞感である。主要指標である業況判断、売上高(前年同期比)、採算(前年同期比)、採算の水準、業況水準では、他業種よりも改善幅は小さく、悪化さえしている(図4)。ウッドショックに端を発した資材価格の高騰によって、新築需要が減退していることがその要因であると考えられる。

 

 

 第3に、次期見通しの弱さである。いずれの指標においても、次期において大きく改善する見通しのものはない。円安の急進、ウクライナ危機による燃料や資材価格にとどまらない物価上昇など、以前にも増して先行きが見通せない状況である。政府のコロナ対応はウィズコロナ、アフターコロナへシフトし、経済活動を抑制する動きは見られないものの、第7波ともいえる7月中旬からの感染急拡大がどう影響するか、注視が必要である。

 

 このような状況下において、「今期の経営上の力点(自由記述)」を見ると、前回調査までとは異なり、ポジティブな記述が散見されるようになって来ている。例えば、「社会環境の急激な変化の中でベースアップや、資材高騰に対する販売価格の見直し、社員教育の見直しを行った」、「人材育成のため毎週金曜日に勉強会」(いずれも建設業)、「事前の営業強化と地域内循環へのシフト」(製造業)、「事業再構築補助金を活用し、新商品開発を進め、販売し、収益改善を計り生き残りをかけて行く考え」(流通商業)など、企業を取り巻く外的環境の激変に対して、自社の経営を見つめ直し、勉強し、挑戦するという姿勢が見えてきたと筆者自身捉えている。もちろん、そうせざるを得ないところまで来たということでもあるが、先行きをどのように見据えるか、勉強会を通じて情報収集するだけでなく、攻めに転じる意識をさらに醸成し、共有していくことも求められよう。