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22年度新入社員意識調査 コロナ禍で就職活動変化 情報サイトに依拠

2022年05月15日

学歴で大きく異なる〝働く目的〟

関心事のトップは「平和な国際社会」

 

 この意識調査は、北海道同友会が各地で今春開催した合同入社式と新入社員研修会(札幌、とかち、くしろ、道北あさひかわ、函館、オホーツク)の参加者を対象に行いました。回答数は323件で昨年とほぼ同数となりました。学歴別の内訳は(図1)の通りです。

 

 

会社選びの基準

 

 「会社を知ったきっかけ」は就職情報サイトが28%、学校の求人票が25%とこの2つが半分以上を占めています。2019年調査ではトップは求人票で就職情報サイトは4番目だったことと比べると、コロナ禍の2年間で求職活動が大きく様変わりしたことが分かります。

 

 「入社の決め手」(複数回答)は仕事の内容、職場の雰囲気の順番で19年以降同じ傾向が続いています(図2)。

 

 

 大学・大学院卒の働く目的トップは「創造的に仕事をして、自分の人間的成長をはかるため」だった一方、専門学校・高校卒は「お金を得て趣味などを楽しむため」と大きく分かれました(図3)。

 

 

 不安に感じていることは「仕事をうまくこなせるか」が35%でトップ。2番目は22%を占める「上司・先輩・同僚との人間関係」となり、「環境の変化に対応できるか」「私生活とのバランスが取れるか」がそれぞれ14%で続きます。

 

 「社会人として自信があること、欠けていること」の問いに対し、自信のあることは「協調性」「忍耐力」「責任感」「順応性」でした。一方、欠けていることは「積極性」「対人対応力」「創造力」「思考力」の順。全体として、消極的だが協調性は高いという特徴が浮かび上がります(図4)。

 

 

 上司や先輩から指導してほしいこと(複数回答)の問いで、要望が多かったのは「仕事の基本や進め方」がどの学歴でもトップで、次が「専門知識」でした。

 

 高校卒者は「マナーや社会常識」を求める声も多くありました。また「対人対応力」に自信がないことに関連して「人間関係の構築」「コミュニケーション能力」「チームワークの取り方」を指導してほしいという声も見受けられます。

 

関心事の変化

 

 関心のある社会問題は、トップが「平和な国際社会」となり、この度のウクライナ侵攻が大きく影響していると思われます。次いで「感染症問題」で、長引く新型コロナウィルスが社会生活に影を落としています。また、いじめや引きこもりといった「教育」に関する問題、子育てや介護、貧困問題など社会福祉への関心も一定程度高いことが伺えます(図5)。

 

 

 以上の結果より、コロナ禍で就職情報サイトに依拠した就職活動を通じて入社した新入社員は、平和問題や教育・福祉など社会へも目を向けて、人間的成長を目指していることが分かります。