気流
2021年10月15日
厚生労働省は9月1日、100歳以上になる人が全国で合わせて8万6510人(北海道4160人)、去年から6060人増えると発表しました。51年連続で最多の更新です。51年前の100歳以上は僅か329人(北海道14人)。当時と比較すれば、人生100年時代到来が現実になりつつあります。
今年4月に「高年齢者雇用安定法」が改正、70歳までの就業機会確保等が努力義務となりました。内閣府の高齢者国際比較では、日本の高齢者の就労意欲は他国と比較して高いそうです。実際に継続雇用で働く先輩事務局員の姿を見てもまだまだ現役で働けると実感します。
企業にとって人材は大きな財産。まして熟練の技術と長年の経験を持つ高齢社員は、社員数の少ない中小企業にとって貴重な存在です。実際に70歳まで働ける中小企業は32・1%(大企業26・1%)との統計もあります(2020年厚労省)。中小企業だからこそ生きがいをもって働く姿と、自分自身が培ったものをじっくりと次代を担う若者に継承することのできる柔軟な職場環境づくりが可能です。
同友会が目指す「人を生かす経営」とは、「人間尊重の経営」が根幹です。それは一人ひとりの社員が輝く企業づくりであり、「あてにし、あてにされる関係」を尊重すること。誰もが働き甲斐をもち生涯現役で働ける企業こそ、人生100年時代の中小企業の姿であり、会員企業がそれを先取りしていくのかもしれません。