経営理念貫き市場創造 江本手袋の江本取締役が報告/南空知支部
2021年10月15日
南空知支部は9月15日、「理念を貫けば未来が見えてくる」をテーマに支部例会を開催。江本手袋の江本昌弘取締役(香川同友会)が報告し、31名が参加しました。
同社のある東かがわ市は手袋の国内生産90%のシェアを誇る産地でしたが、海外生産へシフトし、地域経済は大打撃を受けます。同社の売上の8割を占めていた取引先が2016年に倒産し追い詰められますが、取引先からの支援で何とか踏みとどまります。
第二創業と位置付けた17年には、職人育成のため自社ブランド『佩(ハク)』を立ち上げますが、成果が上がりません。事態打開のため、19年に同友会へ入会。経営指針を創る会で、経営理念を『人らしく生きるものづくりで、喜び合える地域社会を創る』と成文化し、社内でも経営指針発表会を開催。社内や顧客も変わりはじめ、理念の重要性を思い知らされました。
ところが、暖冬で売り上げが壊滅的となった上、コロナ禍に襲われます。打開策を模索していたところ、電車やバスのつり革からの感染を防ごうと軍手をしているというニュースを目にします。「これならできる!」とひらめき、つり革を直接触れずに済む『ハンドソックス』を1週間で製品化。ネットサイトで注文が殺到し、顧客から喜びの声が相次いだことを報告しました。
危機に負けず、理念を貫き、職人技術を活かして機敏にニーズをつかみ市場創造することの重要性を学びました。