経営指針づくりで新たな挑戦へ コロナ危機こそ実践の機会に
2021年06月15日
北海道同友会の2021年度スローガンは「『人を生かす経営』の総合実践で、コロナ禍を乗り越え、新たな挑戦を!」です。中でも、3つの活動の力点のうち、第一に掲げた「労使見解に基づく経営指針の作成と見直し」は、これからのあるべき企業づくりのカギとなっていることから、早くも全道で取り組みが始まっています。
コロナ禍のもと、企業の存在意義や社会のありようが根底から問われています。そこで北海道同友会では、人を生かす経営や経営指針づくりなど、同友会理念に立ち返って自社を見つめ直す活動を全道各地で進めてきました。
経営環境の激変で、経営方針や計画の見直しが迫られただけでなく、従来からの事業の変革や新分野への進出なども展望した、新たな経営指針づくりも求められています。さらに、社員を最も頼れるパートナーと位置付けた労使見解を柱に据え、経営指針を全社的に実践することこそが危機突破のカギである、との認識も広がっています。
新年度に入り、各支部では経営指針委員会が中心となり、オンラインなども併用して経営指針研究会をスタート。全道で69名の会員が、各支部の研究会で学んでいます。オリエンテーションでは、研究会に参加した決意をフェイスシートにまとめ、参加者同士で共有しています。
「昨年度子どもが入社した。今後の会社の将来像を描くために、企業理念などの骨格を自分自身が勉強し直し後継者につなげていきたい」 「これまで様々な仕組みをつくるなど社内の環境づくりをしてきた。しかし、人を育てていかないと会社は機能していかないと思い経営指針の必要性を感じたため」 「個人経営でスタートし、現在は社員数8人の会社になりました。これから自分はどうしたいのか?どうして行かなければいけないのかを考えて、学んで、組み立ててみたいと、強く思う」 |
研究会を通して経営者自身の課題意識を明確にして、〝良い会社をつくりたい〟〝社員が安心して働ける会社にしたい〟との共通の願いが、何よりも学び合いの原動力となっています。
各支部と連携する全道経営指針委員会の渡邊幸洋委員長(渡辺農機/道北あさひかわ支部)は「経営指針が中小企業の回復・再生に有用であるとの社会的認知が広がっている。経営指針書や事業計画書を作る会員企業を増やしていきたい」として、各支部との情報共有を強化すると共に、「地域社会の期待に応え、全会員による経営指針づくりの運動を広げていきたい」と熱く語っています。