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賃上げ「未定」、大幅増 全道平均2.77%、5,557円(会員企業アンケート結果)

2021年04月15日

初任給増額は頭打ちの気配

 

 2021年の賃上げ・初任給の支給予定を聞くこの調査は、2月15日に会員企業(5806社)にアンケートを送付し、3月5日までに回答のあった272社分についてまとめたものです(表1)。サンプル数が少なく、21年度と20年度の回答企業が異なることなどを踏まえ、ひとつの目安としてご利用下さい。

 

 

 有額回答企業の賃上げ予定額は、全道平均で5557円(平均年齢40・9歳)、アップ率で2・77%となり、いずれも昨年(5366円、2・67%)を上回りました(表2)。中央値は4000円(昨年は4272円)でした(図2)。

 

 

 

 

  「賃上げ額ゼロ」と回答した企業は17・3%で、札幌市以外の地域が18・7%に対して札幌市が13・5%となりました。「賃上げ有り」は札幌市以外で20年の66・7%から21年は40・9%へ、札幌市も57・1%から39・2%と約20%減少しました。「未定」と回答した企業も全道で18・5%から42・3%となり、先行きに対する不安感が伺えます。

 

  21年度の賃上げ(腹づもり)の考えでは、企業規模で差が出ており、従業員数4名以下の約80%は「ベースアップ、定期昇給ともに行わず、現状額を維持する」もしくは、「未定」となりました(図3)。

 

 

  全道平均の初任給は、大学卒の営業・事務、高専卒の全ての職種、高校卒の営業・技術・現業で若干のプラスとなりました。大学卒は、営業職が19万2252円(2700円、1・4%増)、事務職は18万4385円(342円、0・2%増)となり、技術・現業職は19万809円(3398円、1・8%減)となりましたが、19万円台を維持しました。高校卒は、札幌市以外の事務職を除き16万円を超えました(表3)。

 

 

  本調査では、1819年度には全ての地域、学歴、職種の初任給平均額が前年を上回っていました。しかし、20年度は札幌以外の2つの学歴・職種で、札幌市の3つの学歴・職種で前年度を下回り、21年度は全体の約33%で前年度を下回る結果となりました。コロナ禍の影響もあり、初任給の増額は頭打ちの気配です。