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【1世紀企業 63】そば処 丸福(帯広市)

1966年頃の店舗

 

昨日と同じ味守り続ける 冷やしかしわ発祥の店

 

 冷やしかしわ発祥の店と言われる帯広一の老舗そば店「丸福」が誕生したのは1920(大正9)年のことです。東京出身でとび職人だった吉川庄太郎氏が「更科そば」の店名で開業。かつて札幌・狸小路にあった老舗そば店「山福本店」の更科そばに感銘を受けた吉川氏が、山福に勤めていた蕎麦職人と共に始めました。吉川氏の妻千葉みよの氏のいとこで養子となった2代目の千葉惣助氏が、修行を経て35歳の若さで店を引き継ぎ、35(昭和10)年には現店名「丸福」へ改めました。血気盛んな惣助氏の「角が取れる」ようにと「丸」の文字を用い、また開業のきっかけとなった「山福本店」の「福」の字を取って「丸福」と名付けたといいます。

 

 戦後、店は活況を増し、帯広の政財界が集う社交場としても親しまれ「丸福ロータリー」とも呼ばれました。そして腕っぷしが強く力士に憧れていた惣助氏にちなんで、相撲の番付表をもじって作られたのが「常連番付」です。その月、最も多く来店したお客を順に横綱、大関、関脇と格付けして、惣助氏が毎月筆書きしていました。横綱のお客は365日欠かさず通ったといいます。昭和30年代に丸福名物の冷やしかしわを考案したのも惣助氏でした。

 

 40(昭和15)年には現在地へ移転。3代目の隆雄氏が87(昭和62)年に現在の店舗を新築しました。2002年~07年には帯広広小路商店街に支店を出したこともあります。70周年の90(平成2)年には常連客で構成される「丸福たまり会」が結成され、節目毎に暖簾が送られています。

 

 4代目の隆一氏は、東京の民間企業勤務を経て02(平成14)年に入社。父・隆雄氏の教えの元で修行を重ね、15(平成27)年に店主を引き継ぎました。祖父の惣助氏の代から守り続ける教えは「昨日と同じ味を出すこと」。隆一氏は「我が家のそばの味が好きで店を受け継ぎました。3世代にわたって通い続けるお客様もいます。『昔と変わらないね』『昔食べたあの丸福の味』と言って頂ける限りは、お店を続けられると信じています」と語ります。一貫して二八そばにこだわり、かつお節は一本一本手で削りダシを取ってきた丸福。根室から取り寄せたタラバ蟹を使ったかに天そばも、冷やしかしわに並ぶ名物メニューになりました。

 

 現在、コロナ禍の影響は大きく、20(令和2)年2月からは昼時間のみの営業が続いています。この年は創業100周年の節目でもありましたが、隆一氏は「何よりも日々来店頂くお客様を大切に、これからも丸福の暖簾と〝昨日と同じ味〟を守り続けます」と決意を語ります。