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金融機関に望む要望くっきりと 北海道財務局調査 

2021年04月15日

企業課題に寄り添うサポートを

 

 財務省北海道財務局は「金融機関の取組に関する企業アンケート調査」を昨年12月に実施しました。結果がまとまったことから、2月18日、谷口眞司財務局長、遠藤晃理財部長らが北海道中小企業家同友会を訪れて概要を報告し、守和彦代表理事、池川和人副代表理事らと懇談しました。

 

  この調査は、コロナ禍での道内金融機関による事業者支援の検証を目的に北海道財務局が独自で実施し、北海道同友会が調査対象抽出で協力したもの(有効回答~390社中160社)。回答企業のコロナによる業績変化は、「減少」が60%、「変化なし」が28%、「増加」は11%でした。

 

  今回の調査結果で最も注目されるのは、「コロナ禍でメインバンクから受けた支援」と「今後金融機関に求める支援」では、要望が大きく異なるという点です。

 

 すでに受けた支援は、資金繰り支援が56%、経営改善支援が6%、「ない」は42%でした。対して「今後求める支援」では、資金繰り支援が52%とほぼ変わりませんが、経営改善支援は66%と大幅に増えています(図参照)。

 

 

 金融機関は昨春以降、融資や返済条件の変更などに注力してきた表れであり、倒産件数の少なさを見ても実効性の高い支援であったことがうかがえます。

 

 中小企業庁の調査によると、昨年末までに決定した実質無利子・無担保融資は、日本政策公庫と民間あわせて約40兆円。そのうち返済猶予期間を1年以内としているのは、公庫で66%、民間で56%となっています。企業は、コロナ大不況の終息が見通せないまま、返済原資を生み出していかねばなりません。今後金融機関に、経営改善支援を求めるゆえんでもあります。

 

 具体的な経営改善のニーズとしては、取引先・販売先の紹介(25%)、M&A・事業承継支援(23%)、財務内容改善支援(22%)が上位を占めました。金融機関には企業課題に寄り添った伴走型支援が求められています。