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【講演録】地域と共にまちづくり/北海道日本ハムファイターズ 代表取締役社長 川村浩二氏

2021年02月15日

 

 

◆ファイターズの理念

 当社はプロ野球で初めて企業理念を取り入れた球団で、非常に理念を大切にする会社だと考えています。企業理念は「Sports Community」。スポーツと生活が身近で、人々の心身の健康を育むコミュニティの実現に向け、地域社会との共生を図るという意味です。具体的には道内179市町村をくまなく周り、スポーツを通した地域貢献や地域課題の解決に取組んでいます。経営理念は「Challenge with Dream」。既成概念にとらわれず夢を持った挑戦をするということで、1球団でボールパーク(BP)を作る構想も夢を持った挑戦、企業理念の実現の1つです。

 

◆BP構想のテーマ

 BP構想においても最上位概念は「スポーツコミュニティ」=企業理念の実現。野球場を中心としたまちづくりを進めることはまさに理念の具現化です。また、大事にしているコンセプトが「共同創造空間」と「北海道のシンボルとなる空間」の構築。前者は多種多様な方々と関わり合いパートナーとして球場づくりからまちづくりまで行っていく場、後者は育てて頂いた北海道へ恩返しの想いも込め、北海道の価値や魅力を国内外に発信する象徴的な空間で、かつ北海道の皆さんにとっても誇りや愛着を持てる空間を意味します。

 

 まちづくりの目的には①ライブ・エンターテイメントの社会的価値向上②リビング・コミュニティ(野球・新球場をきっかけに多種多様な人々が集える〝リビング〟のような住みやすい空間)の醸成社会的課題解決のきっかけづくり(持続可能なまちづくり)3つを掲げています。

 

◆新球場の概要

 新球場の名前は「ES CON FIELD HOKKAIDO」。35000名が収容でき、グラウンドを地下2階に掘下げることで景観との調和を図ります。2019年には、新球場保有会社としてファイターズスポーツ&エンターテイメント(FSE)を設立。事業機能はFSE、チーム機能や管理・広報などは球団が担っています。

 

 BP全体の敷地面積は32㌶で球場自体は5㌶にすぎません。他のエリアは「北海道ボールパークFビレッジ」と名付け、宿泊施設やレストラン、グランピング、農園や教育・医療施設など様々な機能を計画しています。23年開業の後、27年には球場に隣接するJRの新駅もできる予定です。

 

 新球場の大きな特徴は日本初の開閉式天然芝球場。多様な楽しみ方ができ、VIPルーム、宿泊施設やブルワリーの隣接、世界初の天然温泉付き球場としてお風呂に浸かりながらの観戦も考え、既に温泉の掘削は完了済です。

 

◆BPの社会的価値創造

 北海道のシンボルとなる空間の創造でBPや周辺地域の魅力を高め、道内外からの旅行客の集客を目指します。そこで、北海道の魅力を面で伝え、観光ハブとして道内各地の観光資源へ繋がるような機能を持てたらと考えます。また、地域の防災拠点となり、広域避難場所として約1万名の収容、約35000名の一時待機機能も持ちます。

 

 北海道の皆様と一緒でなければBPは完成しません。ぜひ足を運んで頂ければと思います。

 

 (114日、とかち支部新春講演。Zoomで講演)

 

企業情報=本社、札幌市。資本金2億円。従業員数107名。