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同友会は、中小企業の繁栄と、そこで働く全ての人の幸せを願い、地域社会の発展のために活動しています。

気流

2021年01月15日

 「札幌支部障がい者問題委員会」は、2020年度より「インクルーシブ委員会」へと名称が変わりました。健常者と障害者の共生社会の形成に向けて、人間の多様性の尊重等の強化、合理的配慮のもとインクルーシブ(包括的な、包み込む)理念が重要と名称変更趣意書に書かれています。

 

 「幸せの見える共生社会」を目指す活動は、社会的に不利な状況にある人たちを支え合うことであり、物理的なバリアフリーのみならず、私たちの「心」のバリアフリー化に貢献してくれることを期待しています。

 

 私事で恐縮ですが、洋服の仕立業を営んでいた祖父は、幼少の頃に患った病気が元で片足を失い、義足のまま一生を終えました。家族総出で朝早くから夜遅くまで、手元の灯りが乏しい中での手仕事を細々と続けてきたと聞いています。共に家業を支えた祖母は緑内障を患い、晩年にはほとんど目が見えない状況でした。

 

 後年、叔母から聞いたエピソードです。祖母が徐々に失なわれていく視力を嘆息していると、祖父は「俺が、お前の目になってやる」。それに対し祖母は「私が、あなたの足になってあげる」と返したそうです。お互いに完璧であることを求めるのではなく、足りないものを補い支え合うのは、こうした互いを思いやる気持ちなのではないかと思いました。

 

 叔母はこうも続けました。「経済的には豊かではなかったが、この両親の元で心だけは豊かに暮らすことができた」と。