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気流

2020年10月15日

 釧路の産業の特徴について調べる機会があり、歴史を紐解きました。

 

 江戸時代は小さな漁村。開国で昆布と硫黄が重要な輸出品となります。釧路川の舟運、鉄道輸送、炭鉱が開発され、集治監が設置されます。1899年には小樽港などと同時に普通貿易港として開港。木材と硫黄を求めて製紙会社が進出し、発電事業を開始。電力供給で炭鉱の増産が進みました。船の動力化で水揚量が増え、水産加工場が出来ていきました。釧路の三大産業の成立です。

 

 1955年に書かれた小説「挽歌」は釧路の名を全国区に。退廃的な主人公玲子と、崩壊していく桂木家を幻想的な風景と共に描き、映画化で観光ブームが巻き起こりました。厄介者だった霧や湿原が観光資源として注目されます。

 

 三大産業は時代と共に厳しい状況。次の基幹産業として期待されるのは観光です。二つの国立公園の雄大な自然の魅力を押し出し、入込客数は増加。夏の涼しさを求める長期滞在者数は9年連続全道一です。硫黄の採掘地だった「アトサヌプリ」で、ガイド付きトレッキングツアーが開始。阿寒では、かつての製紙会社オーナー前田家が守り続けた原始の風景を味わえるアドベンチャーツーリズムが話題です。資源を強みに磨き上げていく。これはまさにk―Bizの手法につながることです。

 

 来し方行く末を思う。貴社の歴史を紐解き、ウィズコロナ時代の経営戦略を考えるきっかけにしてはいかがでしょうか。