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経営指針実践で経営者が変わり企業が変わる 修了生3名が報告/くしろ支部釧路地区会8月例会

2020年10月15日

くしろ支部釧路地区会は827日に8月例会を開催し、経営指針成文化研究会「くすり塾」修了生3名が実践報告しました。

 

兼芳新潟屋前商店 代表取締役 前 義幸 氏

 

 当社は1985年に創業し、一般食料品販売と食肉工房「よしやす」、食品開発事業などを手掛けています。かつては、利益率が低い煙草の売上げが主体の個人商店でした。しかし、「お客様の望む商品を創り、提供出来る企業になろう」と、顧客の要望に応える瞬発力や機動力など自社の強みを活かして独自の商品を生み出す「商品力・サービス力・創造力」を基に商品開発し、ぶたまん工場も新設しました。

 

 〝食の何でも屋〟を目指す当社は、「食に関わるすべての事業を通じて、北海道の食文化の発展・向上と人々の豊かな生活を支え、地域社会に貢献する」ことを経営理念に掲げています。コロナ禍で3月以降の業務用販売が9割減少しましたが、この間にカレーやアイス等の新商品を開発し、店頭とネット販売を強化。ネットの月の売上げは、これまでの1万5000円程から140万円にまで拡大しました。

 

 当社が無ければ食べることが出来ないような商品や食文化を創り、育てたい。自社の役割に誇りを持ち働く社員を守り、どんな経営環境でも揺るがない企業力と、本質を見極める力をバランスよく持ち合わせた経営者でいたいと思います。

 

マルカツ吉田新聞店 専務取締役 吉田 勝幸 氏

 

 当社の新聞配達部数は、2006年12月の1万2000部をピークに減少しています。折込みチラシの粗利益は、10年前より約36%減です。社員は配達や営業に追われ、新規事業に取り組む余裕がありませんでした。

 

 しかし、理念を成文化し、目標達成への方向性を社員に明確に示した経営に舵を切ったことで、会社の方針に行動が伴っているか社員と議論出来るようになりました。

 

 当社の理念は、「地域の価値ある情報・モノ・サービスをつなぎ合わせ、創造することにより、毎日の豊かな暮らしを届ける企業として、人々の健幸な生活を提供し続ける」ことです。新聞販売店はエリア制のため、地域の購読者に新聞を配達するという発想しかありませんでした。理念を基に、地域の特産品を紹介する「クシロバコ」という紙面を通して全道・全国に販売する事業や、宅配BOXという地域企業と連携した取組みが生まれ、物販の売上げが伸びています。これからは、地域にもビジョンを示し、商売の幅を広げ、人々に〝健幸〟な生活を提供していける企業を目指します。

 

助産院マタニティアイ 代表取締役 成瀬 恵 氏

 

 現在、釧根管内7町村から「産前産後ケア」の業務委託を受け、分娩は一時休止していますが、ケアの利用者が年度毎に100件単位で増えています。

 

 5年前にくすり塾に参加し、何のために経営するのかを考え、お産と優しい母乳育児を支えることを理念としました。しかし、当院と業界の状況が大きく変わり、ママ・赤ちゃんのための〝安心・安全〟でホッと出来、みんなが集える「子育て支援」の場作りと、心で動きママ達に寄り添える向上心をもつスタッフの育成が自社の役割だと改めて感じ、理念を再検討中です。

 

 産前産後ケアは特別なことではなく、誰もが利用出来る仕組みです。ママ向け教室の「ママなびカフェ」や助産院ランチなど、こんな時だからこその対面でのケアを大事にしています。若手スタッフとアイディアを出し合い、SNSを活用した情報発信にも取り組んでいます。

 

 赤ちゃんを産み育てられる環境があってこそ、地域は元気になる。私だけでは解決が出来なくても「点」が「線」になるような関わり方を続け、「あなたは一人じゃない。かけがえのない存在だよ」と伝え続けていくのが使命です。きっと元気になってまた来たくなります。さぁ、マタニティアイへようこそ!