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北海道同友会2020年4―6月期景況調査結果

 中小企業家同友会全国協議会と北海道中小企業家同友会が四半期ごとに実施している景況調査結果(2020年4―6月期)がこのほどまとまりました。全国では2337社中1068社が回答。北海道では799社中304社から回答を得ました。この結果について、北海学園大学経済学部の大貝健二准教授(中小企業論)にコメントを頂きました。(DI値は特に断りのない限り前年同月比、▲はマイナス、①―④は四半期)

 

新型コロナ大不況、深刻 
リーマン上回る落ち込み 長期化確実 経験共有し活路を

 

 突如として現れた新型コロナウイルスによる経済の落ち込みは深刻である。北海道中小企業家同友会20年第2期(46月)景況調査における業況判断DI(前年同期比)は、マイナス29・6からマイナス53・2へ、23・6㌽もの大幅な悪化を示した。2期連続で20㌽以上の悪化を示したのは、調査開始以来初めてのことである。「全国企業短期経済観測調査(短観)」においても、全国・全産業では5期連続の悪化、さらに今期では27㌽もの大幅な悪化を示している。また、短観・中小企業においては38㌽もの大幅な悪化となるなど、前回調査における厳しい見通しが結果として表れたといえよう(図1)。

 

 

 今期の調査結果の特徴は、次の3点である。第1に、主要な景況感判断項目である、業況判断DI、業況水準DIのほか、売上高DI、採算DI、採算の水準DIのうち、売上高DIをのぞいて、軒並み20㌽以上、採算の水準に至っては30㌽以上の「大幅な悪化」を示していることである。第2に、これら主要項目の次期見通しは、程度の差はあるが、いずれも悪化見通しである。悪化幅はおおむね4、5㌽であるが、売上高DIでは、30㌽以上であることから、次期においてもまだまだ下げ止まりには至らず、大不況は長期化すると考えなければならないだろう(図2)。

 

 

 第3に、業況判断DIを業種別にみると、製造業、流通商業、サービス業でマイナス60台に落ち込んでいること、さらに次期見通しでは、製造業でマイナス76・6という過去に例を見ない見通しとなっている。全業種とも厳しい景気判断ではあるが、とりわけ製造業が苦境に立たされている(図3)。

 

 

 新型コロナ大不況が長期化するという見通しは、以下の根拠に基づいている。建設業での新規契約工事量、製造業での生産量、出荷量、受注残、流通商業での仕入数量、サービス業での利用客数、施設稼働率、要因稼働率がいずれも「減少」ないしは「低下」割合が大幅に高まっているのである。北海道DOR調査結果をさかのぼると、同様の傾向を示したのは08年のリーマンショック時、ないしは11年の東日本大震災後である。しかし、上記の項目がそろって大幅に悪化したというわけではないことに加え、悪化幅は今期ほど大きくはなかったのである。それだけ、新型コロナウイルスによる衝撃は大きいと断言してよいだろう。余談ではあるが、前回調査、今回調査と資金繰りに関しても注目していた。しかし、資金繰りに関しては「順調」、ないしは「余裕がある」という回答割合が多くを占めた。景気後退が長期化することを見越して、金融機関からの借り入れを行った企業が比較的多かったものと思われる。懸念されるのは、今後不況が長期化し、金融機関が態度を硬化することであり、もしそのような状況になったときに、中小企業経営はどこまで持ちこたえられるのか、である。

 

 「今までの仕事の仕方や営業戦略に関して大きく転換をしなければならないと思いますが、社員がついてくるか不安ですし、行動しなければ成果は出ませんので人財変化を取り組むことを考えなければならない」(建設業)、「コロナ禍により、従来からの仕事は、相当減りました。新たな分野を拡大するために、全社員への意識改革を訴えてきていますが、すぐに変われるものでもありません。何百回も何千回も訴え続けて、自力で仕事が確保できる会社づくりを進めます」(製造業)というコメント見られるように、新型コロナウイルスはパラダイムシフトを迫っている。同友会というプラットフォームで、経験や知恵を積極的に共有し、活路を見出すことに期待したい。