こんな時こそ経営指針! 3支部レポート コロナ禍乗り越えろ
2020年06月15日
「今こそコロナ禍を乗り越える羅針盤を!」―。感染を防止しながら経営指針研究会の熱い学びが続いています。3支部からのレポートです。
◆札幌支部
札幌支部経営指針委員会は、第17期経営指針研究会を4月11日にスタートしました。
新型コロナウイルスに伴う北海道・札幌市緊急共同宣言を受け、委員会では日程や内容の検討を重ね、マスクと検温を必須とし、出席者同士の席を離し〝三密〟にならないよう感染防止を徹底して9時から19時まで第1講を開催。研修生14名、サポーターと委員12名が参加しました。
第1講は「経営指針成文化の歴史と意義」「経営者の責任や対等な労使関係」「国民や地域と共に歩む中小企業の役割」など同友会らしい経営指針づくりの本質を学ぶために、経営指針委員が問題提起しグループ討論を行いました。
厳しい環境下で研修生もサポーターも緊張続きでしたが、討論を重ねる中で笑いや励ましが飛び交い、夕食会は楽しいひと時となりました。「このような時に参加する不安はあったが、思い切って参加して良かった」「こんな時だからこそ、会社の羅針盤となる経営指針を学びたかった。開催してくれてありがとう」と今後の学びへの熱い期待が高まる第1講となりました。
5月からは5、6名のグループ単位での活動となります。メンバー各社に訪問しての学び合いなど、創意工夫を凝らした研究会が進行する予定です。
◆しりべし・小樽支部
しりべし・小樽支部は4月23日、第11期経営指針研究会第7講をWEB会議サービス「Zoom」併用で開催し、5名が参加しました。
支部ではコロナ対策として2月26日以降全ての会合を自粛。研究会は日程を3月4日から振り替えて開催されました。まず参加者各自がコロナの影響と自社での対応を報告し、お互いの現状を共有するところから再開。日本橋・中井健太郎社長は「コロナの影響は甚大だが、前向きな姿勢でピンチをチャンスに変えたい。乗り越えたらまた一つ成長できる」と決意表明。本間製菓・本間大輔社長は長年温めた構想を4月に実現し、「想いをもって行動を続ければビジョンが形になると実感している」と述べました。小樽海洋水産・松田亙社長は「経営者として窮地は何度もあった。来るなら来い、やってやるぞという気持ち」と、自身と参加者を鼓舞しました。
昨年4月末に4名でスタートして今年5月末の修了を目指した研究会ですが、参加した全社がコロナ禍を乗り越えるまで、腰を据えて継続することになりました。閉会後には「久々の例会は良かった」「Zoomでも問題なく開催できた」といつにも増して参加者の笑顔が印象に残る研究会でした。
◆とかち支部
第9期とかち支部経営指針研究会が開講しました。5月13日のオリエンテーションは新型コロナウイルス感染拡大防止のためオンライン会議で実施。委員・サポーター含め35名が参加し、修了生2名の報告とオンライン上でグループ討論を行いました。
修了生の関木材工業・山内ゆかり社長は、夫と共に同社へ入社。自身は事務に携わっていましたが、急遽経営のバトンが回ってきたことを契機に研究会を受講しました。「自分の会社に初めて向き合った。自社がどうありたいかを真剣に考え続けた一年だった。困難に負けない自分をつくるために頑張ってほしい」とエールを送りました。トォータルフーズ・香川澄子社長は、5年前に父の後を継ぎ社長に就任。後継者部会「あすなる会」で経営計画書を学んだことをきっかけに、研究会を受講。「目的・目標が明確になり、筋道を立てて考えられるようになった。自分軸を確立することができた」と語りました。
今期は研究生14名中8名が農業者。とかち支部では17年度より農業者の受講が増え始め、口コミで輪が広がっています。背景には法人化や親族以外の従業員の雇用、事業承継があります。議論を通して「農業経営者」としての姿勢が確立されていく様は、研究会の醍醐味と言えます。