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気流

2020年03月15日

 昨年10月の消費増税、軽減税率導入から半年が経過しました。一枚の領収証に対して軽減税率対象の有無を確認し、納税申告では旧税率8%と軽減税率8%の区分申告が求められ、複雑化していく税務に携わる方たちからは「働き方改革と逆行している」とため息が聞こえてきます。

 

 経済産業省は今回の増税対策の目玉でもあったキャッシュレス決済ポイント還元制度で、登録加盟店数が約101万店となり、対象決済額は約3・3兆円、消費者への還元額は約1340億円になると発表しました。この制度は消費喚起と同決済の定着が目的で、決済への抵抗感を和らげる効果はありましたが、消費者である国民と共に歩む中小企業の決済継続なくして定着は難しいでしょう。

 

 同制度が6月に終了した後は、決済費用の負担が中小企業に戻ることから資金繰りや費用対効果が得られず、企業が一度導入したキャッシュレス決済を諦める懸念もあります。今後予定されるインボイス制度も企業に負担を増やしたまま対応が追い付かない中小企業は置き去りにされないか不安です。

 

 内閣府が2月17日に発表した1012月期実質GDPは、年率換算で6・3%減と大きく落ち込み、企業の設備投資も3・7%減少しました。消費増税による企業活動への足かせに加え、新型肺炎の流行がさらに重くのしかかってきています。これ以上、消費税制度が中小企業の経営選択を狭めないか動向を注視したいです。