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共同求人委が採用意向調査 従業員の不足感続く

2020年03月15日

業種により採用戦略変える

 

 共同求人委員会は、会員企業を対象とした採用意向調査を1月に実施し、370社(回答率6・1%。昨年は701社12・2%)から回答がありました。回答のうちサービス業の回答率が昨年より7㌽増加しています。

 

■続く不足感

 

 従業員数の充足感は、充足している企業が23%(昨年比4㌽増)、不足している企業が53%(昨年比5㌽減)、どちらともいえないが23%(昨年比2㌽増)となっています。業種別に見ると「充足している」が建設業は昨年比12㌽、製造業は8㌽増加しています。一見、不足感が緩和されたようにみえますが、「不足している」も建設業では2㌽、卸・小売業では7㌽増加しており、不足しているが何らかの方法で充足させている様子が伺えます。また、サービス業は「どちらともいえない」が昨年より13㌽増えており、従業員の不足感が続く中、人材確保の苦労が伺えます(図1)。

 

 

 

 

 2019年度の採用予定は、中途採用から新卒へシフトする傾向でしたが(19年度採用意向調査)、実際の19年度の採用実績を見ると大卒・専門卒、高校生の新卒採用、中途採用ともに昨年とほぼ同じ構成比となっています。業種別では建設業で大卒・専門卒が10㌽増、高校生が7㌽減となり、サービス業では大卒・専門卒が8㌽減、中途採用が9㌽増加しています。業種により、採用戦略を変えていることが伺えます(表参照)。

 

 

 

■中途から新卒へシフト

 

 2020年度の採用予定数は、大卒・専門卒は34%(昨年度同)、高卒は25%(昨年度比2㌽増)、中途採用は40%(昨年度比4㌽減)です。昨年に引き続き、新卒採用で社員数の充足を予定していると言えます。

 

 新卒採用の目的は「社内の年齢構成を整えたい」が36%と最も多く、「会社の考え方を浸透させやすい」19%、「会社に新風を吹き込む」が17%と続きます。昨年度2番手だった「将来の幹部社員として期待」は、4番手に後退しています(図2)。

 

 

■採用費用増加続く

 

 採用活動に関する費用は、昨年に引き続き50万円以上が5㌽増え、採用に対して50万円以上の費用をかける企業が増えています。

 

 コメント欄には「高校採用は応募がない」(サービス業)「不足していたが、受注量ダウンにより充足した」など、厳しい状況が伺えます。共同求人委員会では、この結果を参考に「人を生かす経営を踏まえた企業づくり」と「地域で働く意義を会内外へ伝える」活動に引き続き来年度も取り組みます。