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業況判断 全業種で悪化(10-12月期景況調査)

製造、サービス特に落ち込む

札幌圏に対し地方都市部の低迷目立つ

 

 中小企業家同友会全国協議会と北海道中小企業家同友会が四半期ごとに実施している景況調査結果(2019年1012月期)がこのほどまとまりました。全国では2356社中868社が回答。北海道では811社中249社から回答を得ました。この結果について、北海学園大学経済学部の大貝健二准教授(中小企業論)にコメントを頂きました。(DI値は特に断りのない限り前年同月比、▲はマイナス、①―④は四半期)

 

 北海道中小企業家同友会19年第4期(1012月)景況調査における業況判断DI(前年同期比)は、3・8からマイナス7・9へ、11・7㌽の大幅な悪化となった。前回調査でプラスに転じたものの一転して水面下へ転落し、4期連続の景況感の改善とはならなかった(図1)。

 

 

 今期は、日銀短観や中同協DORにおいても、同様の景況感の悪化を示している。米中貿易戦争による影響、10月からの消費増税の影響、韓国からのインバウンド観光客の動向など、前回調査からの懸念材料が今期にも影響を及ぼしている。

 

 業種別に見ると、全業種の業況判断DIで悪化を示した。とりわけ、製造業とサービス業で大幅な悪化となった。建設業は6・5㌽の悪化(マイナス3・5→マイナス10・0)、製造業は14・1㌽の大幅な悪化(マイナス10・0→マイナス24・1)、流通商業は7・7㌽の悪化(6・4→マイナス1・3)、サービス業は25・5㌽の大幅な悪化(27・9→2・4)で、サービス業以外の業種は軒並み水面下に転じ、サービス業も大きく落ち込んだ(図2)(図3)。

 

 

 

 

 ことし1月22日に行われた景況調査分析会議では、地域別に見た時に景況感の悪化が相対的に軽微な道央(札幌・小樽)と、悪化が著しい道東(帯広・釧路)、道南(函館・日胆)、道北(旭川・北見)というコントラストがみられたことに対して議論された。中でも、道南地域では26・6㌽もの大幅な悪化を示した(11・8→マイナス14・8)。

 

 道南地域で大幅な悪化となった要因として第1に、室蘭、苫小牧などの本州企業と取引のある製造業が、米中貿易戦争に伴う需要低迷の影響を受けているのではないかということ。第2に、函館を中心に観光客の減少が景況感に影響を与えているのではないか、といった意見が出された。

 

 そのほか、建設業での資材価格の高騰がみられることや着工数が前年度割れしていること、消費増税の駆け込み需要の反動が業種によっては少なからずあることなどが、1012月期の動向として指摘された。

 

 次期見通しは、全体の業況判断DIではマイナス9・2と今期結果からさらに1・3㌽の悪化である。業種別に見れば、製造業は大幅な改善の見通しではあるが、水面下での推移にとどまるほか、建設業、流通商業、サービス業では悪化見通しとなり、全産業が水面下へ沈み込む見通しである。これらのことからも次期の景況感の改善に向かう力は非常に弱いと考えられる。

 

 企業環境を取り巻く要因も、これまでの懸念材料はそのまま残ることに加え、緊迫した中東情勢の動向が直接的、間接的に景況感に影響を与える可能性も出てきた。

 

 また、業種や地域によっては今冬の少ない積雪が景況感の悪化につながることも考えられる。企業内部の問題においても、「人材不足が緊急の課題」、「人材不足による業務縮小」といった自由記述が目立つようにもなっている(図4)。

 

 

 2020年は庚子(かのえ・ね)であり、新しいことを始めるには最も適した年であると言われている。しかし、いつになく多くの懸念材料がそろい、難しいかじ取りが求められるだろう。そのような中で不安要因を払しょくし、新たな道筋が見えてくるような中小企業経営、同友会運動の新たな展開を期待したい。