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北海道中小企業家同友会 創立50周年記念式典式辞

2020年01月15日

 11月22日に開催した創立50周年式典で、守和彦代表理事が式辞を述べました。全文を紹介します。

 


 

 本日、私たち北海道中小企業家同友会は創立50周年を迎えました。この佳き日に、鈴木直道北海道知事をはじめ、平素よりお世話になっております道内各界を代表される皆様、中小企業家同友会全国協議会広浜会長をはじめ、全国各地からお越しの仲間の皆様、そして全道各支部からご参加いただいた会員の皆様、誠にありがとうございました。心より御礼を申し上げます。

 

◆原点は孤独な経営者をなくすこと

 

 さて私たちは、6000名会員を達成してこの周年を祝うことを目標に掲げて参りました。お陰様で会員数は10月31日に6000名を超え、昨日現在で6052名に達しました。ご尽力いただいた会員の皆様に、改めて御礼を申し上げます。ありがとうございました。

 

 ここで、50年前の設立の呼びかけ文の一部を紹介させていただきます。

 

 ―経営者は孤独です。私たち中小企業経営者の肩には、企業の死命を制する重大なことから、社内の小さな出来事まで、全てがかかっています。社内には充分な相談相手がいません。同業者とはなおさら相談できません。史上最高の景気が謳歌される中で、中小企業を取り巻く環境は日一日と厳しくなり、本当のことを言うのにも勇気がいります。私たちは、この悩みを何とか解決したいと心から願っています―。

 

 と書かれています。私たち北海道同友会の原点は、「孤独な経営者をなくす」ことにありました。

 

 会の歴史は、皆様に記念品としてお持ちいただく『50周年記念誌』に詳しく書かれておりますのでじっくりとお読み頂きたいと思います。私はこの半世紀の特色を、3点に絞ってお話しさせていただきます。

 

◆共学・共育・共生の企業づくり

 

 第1は、「共学・共育・共生」。すなわち、共に学び、共に育ち、共に生きるという、北海道同友会の合言葉についてであります。

 

 経営者にとって、目下最大の課題は人材の採用と育成です。北海道同友会は、1972年から共同求人活動を開始しました。共同で求人活動に取り組むことで、賃金の見直しや就業規則の整備など、社員が安心して働ける企業づくりが進みました。さらに1981年には「同友会大学」ができ、翌年「経営者大学」がスタートし、今日に至っております。

 

 経営者と社員が共に学び、共に育ち、共によりよい人生を生きていくために、私たち同友会の「共学・共育・共生」という合言葉は、会員がめざす企業づくりの方向を明確に示しているのではないでしょうか。

 

◆力を合わせて経営環境を改善

 

 2番目は、力を合わせて経営環境を改善していく取り組みであります。

 

 私たちは、「よい会社をつくろう」「よい経営者になろう」「よい経営環境をつくろう」という3つの目的を掲げています。特に経営環境改善の取り組みでは、2000年から取り組んだ「金融アセスメント法」と、2003年から進めてきた「中小企業憲章」並びに、「中小企業振興基本条例」制定運動が大きな広がりを持ちました。

 

 金融危機を乗り越えるために、地域と中小企業にやさしい望ましい金融システムの創造をめざした『金融アセスメント法』制定運動では、道議会をはじめ、道内全ての市町村議会で意見書が採択され、金融機関にも理解と共感を広げました。それらの効果で、「経営者保証に関するガイドライン」や、「金融仲介機能のベンチマーク」など、金融行政は大きく変化して参りました。

 

 また中小企業憲章は2010年に閣議決定され、中小企業振興基本条例は2007年の帯広市を皮切りに全道に広がり、現在では道内52市町村で条例が制定されております。

 

◆会員と事務局員が主体者となって

 

 そして3番目は、北海道同友会の組織風土についてであります。

 

 現在北海道同友会は、10支部・46地区会で構成され、事務所が8か所、事務局員は全道で62名になりました。

 

 ここでこの50年を振り返る時、忘れてならない人は、26年間にわたって専務理事として活躍された大久保尚孝さんです。

 

 第一銀行に勤務されていた大久保さんを、設立間もない同友会は事務局長として迎えました。以来大久保さんは、会員増強と事務局員の育成に尽力される一方、同友会「三つの目的」の起草や「共育理念」、「二十一世紀型中小企業づくり」の提唱など、同友会の基本的な考え方をまとめる上で、大きな役割を果たされました。

 

 北海道同友会の組織風土の特徴は、会員と共に事務局員も、同友会運動の主体者として、誇りと責任感をもって仕事をしていることだと私は思っております。

 

◆新ビルで業務開始

 

 そしていよいよ12月10日には、札幌総合卸センターの新ビルに移転し、業務を開始致します。事務所には、150平方㍍の大会議室を設置しました。そこで私たちは、大久保さんの名を冠して、名称を『大久保記念・共育ホール』と呼ぶことに致しました。

 

 これからの北海道同友会の目標は、道内全ての自治体に中小企業振興基本条例をつくること。そして全ての市町村で同友会の会員をつくることです。そのとき、われわれ中小企業の活躍が、地域の新たな可能性を開いていくものと確信いたします。

 

 創立周年のテーマは「つなぐ~原点から未来へ」であります。本日を新たな出発点として、役員、会員、事務局員が手を携え、企業づくり、同友会づくり、そしてかけがえのない地域づくりに全力で取り組んで参りたいと思います。

 

 お集まりいただきました全ての皆様に、改めて感謝の意を表し、創立50周年記念式典にあたっての式辞とさせていただきます。

 

 

2019年11月22日

一般社団法人北海道中小企業家同友会 代表理事  守 和彦