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【我が社の自慢 35】ヤマシチ(旧山七山口商店)(岩見沢市)

2020年01月15日

白磁酒樽とこも樽

 

古い酒樽 社業の支えに

 

 我が社の自慢は酒樽です。

 

 当社はもともと初代が石川県から本家の支店として小樽に入り、鉄道と炭鉱の発展を見込み1890年に岩見沢で分家・創業しました。当初は荒物雑貨や雑穀などを扱っていましたが、初代由太郎は岩見沢に無いものを商いとしてやろうという思いがあったようで、味噌・醤油の醸造を開始。敷地内では良質な井戸水もくめたため、93年頃より清酒醸造を始め「岩泉」「岩誉」「万葉」などの銘柄を生産しました。

 

 1908年には石油販売も開始し、戦後には個人商店だったものを山口醸造(酒造部門)と山七山口商店(石油・不動産部門)の2社に分けて法人化しました。しかしながら炭鉱の閉山など時代の流れなどもあり、85年に山口醸造を廃業することとなり、自社ブランドが途絶えてしまいました。

 

 実は、岩見沢では過去2度の大火が発生し、当社も2度とも火事に遭い、酒造りを含む古い資料をほとんど失いました。また、酒樽のような販促品は販売店に配るものであるため、ほとんど手元に残っていませんでした。この酒樽は市内の酒販店さんと、元社員宅の倉庫にあったものを「昔の酒樽があるよ」と譲っていただいたものなのです。

 

 今でもご愛飲いただいていたお客様に〝昔祖父が酒蔵で働いていました〟と言われることがあります。この酒樽を見る度に、先人が一生懸命造った製品が多くの方に愛され、現在も当社の支えになっていると実感します。

 

▽創業=1890年、会員=代表取締役専務・山口卓也、事業内容=不動産賃貸管理業、保険代理業他、社員数=15人