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【北海道地域7-9月期景況調査結果】3期連続改善 全国と対照的

震災前水準に回復も次期は大幅悪化懸念

 

 中小企業家同友会全国協議会と北海道中小企業家同友会が四半期ごとに実施している景況調査結果(2019年7―9月期)がこのほどまとまりました。全国では2376社中918社が回答。北海道では818社中249社から回答を得ました。この結果について、北海学園大学経済学部の大貝健二准教授(中小企業論)にコメントを頂きました。(DI値は特に断りのない限り前年同月比、▲はマイナス、①―④は四半期)

 


 

 北海道中小企業家同友会19年第3期(7―9月)景況調査における業況判断DI(前年同期比)は、6・4㌽の改善を示し、マイナス2・6から3・8と水面上へ浮上した。全国の動向とは対照的に、17年第4期(1012月期)から3期連続の改善である(図1)。4―6月期調査では、7―9月期から景況感の改善に急ブレーキがかかると懸念されていたが、そうした不安を一蹴する改善となった。

 

 

 日銀短観(北海道)においても、同様の傾向を示している。これまでの景況感の改善は、昨年9月に生じた震災によるものであり、今期で震災前水準にまで回復した感がある。一方で、次期以降の見通しに関しては、10月からの消費増税の影響、夏以降の韓国からのインバウンド観光客の大幅な減少、極度の製造業の落ち込みなど、多岐に波及すると思われる懸念材料が並ぶ。各指標も、軒並み大幅な悪化見通しとなっている。

 

 業種別にみると、今期は建設業を除いた業種で改善し、とりわけ流通商業の改善幅が大きいことが特徴である(図2)。建設業は5・1㌽の悪化で水面下へ沈んだのに対し(1・6からマイナス3・5)、製造業は水面下での推移ではあるが5・6㌽の改善(マイナス15・6からマイナス10・0)、流通商業は15・5㌽の大幅な改善で水面上へ浮上した(マイナス9・1から6・4)ほか、サービス業は7・1㌽の改善で高水準を維持している(20・8から27・9)。

 

 

 10月17日に開催された景況調査分析会議では、今期大幅に改善した流通商業の要因に関しては、冷凍食品の輸送に関連する物流が好調だったのではないかという意見に加え、サービス業が高水準で推移しているのは、インバウンド観光客による影響が大きいのではないかという意見が出された。

 

 しかし、興味深いのは北海道の場合、観光客のナショナリティによって、訪問する地域が大きく異なることである。特に夏以降、国家間の政治問題が深刻化してからは、訪日韓国人旅行客の大幅な減少が新聞などで報道されている。韓国人旅行客数は18年度の『北海道観光入込客数調査報告書』をみると、73万1200人であり、北海道を訪れる外国人観光客の23・5%を占めトップであるが、彼らの宿泊先は札幌や小樽などの道央圏が目立つ。今期の地域別業況判断では、道央がマイナス4・1ではあるが、札幌が2・8、小樽がマイナス53・3である。調査回答数に大きな差があるので、直接的に議論に結びつけることはできないが、他地域と比較して、韓国人旅行客の急減が道央圏、とりわけ小樽の地域経済に大きな影響を及ぼしていることが推察される。

 

 そのほか、建設業をめぐる情勢についても活発な議論がなされた。特に建築分野においては、資材価格が高騰し続けていることに加え、度重なる自然災害も相次いでいることから、資材価格高騰の常態化を懸念する意見や、極度の人手不足が続いていることも相まって、公共工事の入札が割に合わず成立しないケースが増えていることが指摘された(図3)。

 

 

 次期見通しは、大幅悪化見通しである。その理由は「ことし9月は、増税前ということも重なり順調ですが10月以後が厳しい見通し」(流通商業)というコメントに端的に表れているように、増税の影響懸念である。また、国際情勢も非常に不安定であり、製造業を中心に間接的に影響を受けるものと思われる。景況感の悪化を最小限にとどめるための創意工夫が必要であろう。