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ビジョンは会社が変わる原動力(広島精機代表取締役社長 柳原 邦典氏)

2019年10月15日

 札幌支部共同求人委員会は9月10日、北海道経済センターで第3回人を生かす経営推進セミナーを開催しました。広島精機代表取締役社長の柳原邦典氏(広島同友会副代表理事)が、「人生と仕事がリンクし、社員が将来をイメージできる企業づくりとは?」をテーマに報告しました。

 


 

平均年齢50歳の会社

 

 当社は、祖父が金属加工業として創業しました。私は1981年に入社しましたが当時の社員平均年齢は50歳。将来をともに働いていける同年代はわずかで、他の会社とのギャップに悩んでいました。

 

 まずは求人を進めようと考えた時、知り合いから同友会の求人活動に関する話を聞いて入会しました。合同企業説明会でブースも出しましたが、3年程度は学生が1人も座ってくれず、知り合いの社長が学生を誘って連れてきてくれることもありました。

 

 ただ、当時の職場環境は油だらけの床で、社員は作業着や帽子をかぶっていないという状況。会社の前まで来ても、その様子を見て帰って行った学生もいるのではないかと思います。それでも父親である当時の社長は「工場は汚れていても、技術さえあれば食べていける」という考えでした。

 

 同友会の求人委員会で学びを深め、若い人がどうやったら来てくれるかを考えました。職場環境のインフラを一気に更新することは困難ですが、できることから始めました。

 

 92年頃には従業員は作業服を着て帽子をかぶり、変色していた機器の塗装を施すまでの改善を進めました。このようなことも経営戦略の一つとして、10年ほど継続しました。最初は社員の不満もありましたが、徐々に取り組むことで理解してくれました。

 

ビジョンは会社の原動力

 

 アイシン精機で仕事の打ち合わせした時、事務所の壁に掲げてあった理念には〝トヨタ自動車に適格でスピーディーに供給できるような会社を目指す〟というような文言が書かれていました。

 

 数年後、同社がすでに自動車部品以外にも幅広く事業展開をしていた時期に再び伺うと、〝世界に供給する体制を早く構築する〟という理念に変わっていました。このようにして会社は変わっていくのだと痛感し、ビジョンの重要性を理解しました。

 

 ビジョンは、会社が変わる基本の原動力だと思います。最近のトレンドでは、SDGsがあります。2015年に国連が定めたの持続可能な開発目標には、環境やエネルギー、ジェンダー平等などが含まれており、企業経営の中でどう取り組んでいくか問われています。

 

人を生かす経営を忘れない

 

 広島同友会のJOBWAYでは、参加企業にタイして参加確認書の提出を導入しました。特に就業規則や賃金規定などを厳しくチェックし、社会保険労務士に協力してもらって全企業の内容を確認することもありました。

 

 それは採用に一生懸命取り組む中で、同友会の「人を生かす経営」を忘れてほしくないからです。正直、ついていくことが厳しいと言う会員がいないわけではありません。ただ、同友会の活動を続けている中でも、会社が良い状況・厳しい状況の時があると思います。今の時代は求人が厳しい時代だと理解し、その中でも興味を持ってもらえるような会社になることが重要です。

 

会社概要

本社・広島県廿日市市。1953年設立。社員数49人(パート、アルバイト含む)。歯車・減変速機設計製作やポンプ・機械部品製作などを手掛ける。