気流

2019年09月15日

ＡＩによる画像認識技術によって、早期のがん発見率が飛躍的に高まっています。熟練技術者の診断ノウハウをデータとして取り込み、診断誤差が１割を切るほどになったそうです。

ＡＩに代表されるＩＴ（ＩｏＴ）は、私たちの生活に欠かすことのできない技術となりました。ＩＴによって収集される情報がビッグデータとなり、そのデータの分析により生み出された新しい商品やサービスが効率的に生活の質を高めています。

一方、便利さを過剰に追及したことで、倫理的な問題を引き起こす事例も起きています。就職情報サイトに登録した就活学生のデータを分析し、「内定辞退する確率データ」を本人に無断で販売する事件が発生。ＡＩによって就活の行方が判断される事態に、不安を覚える就活生の声も報道されました。

人手不足の時代に産声を上げた北海道同友会は、「若者が来てくれない、定着してくれない、育たない」という深刻な課題に対して、自社の経営体質の強化、経営者と社員との共育、中小企業の可能性を訴えていくことを掲げて、５０年間にわたって魅力ある企業づくりを進めてきました。自社と地域を支える若者に安心して来てもらえるようにと、地道な努力を重ねてきました。

データの世紀ともいうべき情報が価値を生み出す時代を迎えても、信頼関係こそが企業発展の原動力です。膨大な情報に惑わされず、真実を見抜く人間らしい知性と、企業の真の力が問われています。