道農交inとかちに290人が参加 食品安全やICTの導入事例紹介
2019年08月15日
7月12日、第14回全道農業関連部会交流会(道農交inとかち)が開かれ、各支部の農業経営部会会員や愛知、静岡の同友会会員290人が参加。「破壊と創造」をテーマに、農業最盛期の十勝で現場から農業経営を学びました。
とかち支部農業経営部会が設営担当。部会設立30周年記念事業として準備を重ねました。
記念講演には、酪農・畜産向けのクラウドサービスを提供するファームノートホールディングスの小林晋也社長が「スタートアップ、経営者の苦悩、異業種への参入、そして成長。」と題して報告。24歳で起業し、30歳で1000億円という売り上げ目標を掲げます。しかし思うように進まない事業計画と伸びない売り上げの中で、社員や株主の目を気にして、他人に人生を預け自分のやりたいことに無意識の諦めを抱いている自分に気付き、変化してきた様を赤裸々に語りました。
今回の記念講演は、未来の農業者となりうる若者と共に学びたいという思いから十勝管内の学校へ声をかけ、帯広農業高校の生徒80人をはじめ、帯広畜産大学、農業大学校の学生が参加しました。学生からは「これからは自分たちが農業の担い手になることを意識しなくてはいけない」「経営は利益が大切だと思っていたが本当に重要なことは別にあり、酪農経営に対する考え方が広がった」「自分のやりたいことをやり抜くことの大切さを学んだ」などの感想が寄せられました。
分科会は「企業連携」「ぶどう・ワイン」「出口戦略」など9つのテーマを設け、移動8分科会、座学1分科会を設定しました。
大野ファーム.(芽室町)では、「GAP・HACCP・ISO」といった食品安全システムがテーマの分科会を開催。帯広畜産大学産学連携センターの渡辺信吾特任教授が各制度の長所と短所を説明した上で、大野ファーム.、前田農産食品(本別町)、北広牧場(新得町)が導入事例を紹介しました。
三浦農場(音更町)では、「ICT・先進的技術」をテーマにロボットトラクターの活用法について学びました。ロボットトラクターの後ろを、有人のトラクターが随伴して作業する方法を紹介。人手が省けて作業時間の短縮になることが説明されました。また、GPSガイダンスシステムを活用することで、経験の浅い女性パート社員もトラクターに乗り、その分経営者は農作業から離れて経営に専念する時間を確保できていることが紹介されました。
分科会に続いて、夜はホテル日航ノースランド帯広で懇親会を開催。ジャガイモをフライドポテトにして食べ比べる「じゃがいも選抜総選挙」をはじめ、牛肉サミット、十勝利きミルクなどの企画を通して、十勝の食の多様性を伝えました。
次回の道農交は2021年2月、函館支部の設営で開催される予定です。