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1-3月期景況調査 改善二期ぶり 建設が牽引

内外動向の変化には注意

人材問題、依然として経営の足かせに

 

 中小企業家同友会全国協議会と北海道中小企業家同友会が四半期ごとに実施している景況調査結果(2019年1―3月期)がこのほどまとまりました。全国では2397社中872社が回答。うち北海道では836社中263社から回答を得ました。この結果について、北海学園大学経済学部の大貝健二准教授(中小企業論)にコメントを頂きました。(DI値は特に断りのない限り前年同月比、▲はマイナス、①―④は四半期)

 


 

 2019年第1期(1―3月)の北海道中小企業家同友会の業況判DI(前年同期比)は、マイナス4・7であった。前回調査のマイナス10・4から5・7ポイント、二期ぶりの改善であるが、依然として水面下での推移である。次期についても引き続き改善の見通しであり、とりわけ建設業での改善見通し幅が大きくなっている。(図1)(図2)

 

 

 

 しかし、業況判断DIの推移を日銀短観や中同協DOR(速報)と比較すると、真逆の動きになっていることが確認できる。つまり、短観や中同協DORでは今期の業況判断DIは、2―4ポイント悪化していることに加え、短観では、次期も5―8ポイントの悪化見通しとなっているのである。このコントラストはどのように理解すべきなのか、4月11日に行われた分析会議では大きな論点となった。

 

 景況調査における集計結果から導き出せる見方は、次の点である。今期は仕入単価DIが低下し、他方で販売単価DIが若干上昇したことが、採算の改善、業況判断の好転に結びついたとする見方である。(図3)しかし、1人当たり売上高DIはやや悪化、1人当たり付加価値DIはほぼ横ばいであることや(図4)、業種別に見て、今期の景況感の改善を牽引した建設業、製造業でさえ、主要項目において好転、悪化が入り混じっていることから、今期の水面下ながらの景況感の改善は、継続的なものと見られるほどの好材料を持ち合わせていないと捉えている。

 

 

 

 さらに、中同協DOR速報でも指摘があるように、米中貿易摩擦、中国経済の減速、ブレクジット問題などについても、間接的に景気には影響を及ぼすと考えられるため、国内外の動向にさらなる注視が必要であると思われる。

 

 今期の経営上の問題点では、前回調査に引き続き、「人」に関する項目(「従業員の不足」、「人件費の増加」)の割合が高い。「仕事はあるが、マンパワーが足りないために獲れない」、「企業間での人材の移動が顕著である」といった意見が分析会議の中でも出てきており、人に関する諸問題が企業経営に対しても大きな足かせとなっている。働き方改革が政策的にも進められる中で、企業の生命線である人材をいかに確保し育てていくのか、同友会運動の中で経験交流の場を増やすなど、継続的に真摯に取り組むべき問題であろう。

 

 最後に、分析会議の中では、地域間での景況感が対照的であるとの指摘も相次いだ。例えば、北海道の景況感は、建設業の動向によって左右される側面が少なからずある。その中で、新幹線や高規格幹線道路の建設が続いている地域とそうではない地域の差異、2年前の豪雨や昨年の震災による被害があった地域とそうではない地域とのギャップが少なからず存在する。そのため、北海道全体の動向を把握することも重要であるが、景況調査をより身近なものにしていくためにも、地域別の動向も捕捉していくことが重要ではないかと考えている。次期調査からは、さしあたり道央(札幌・後志)、道東(十勝・釧路)、道南(函館・日胆)、道北(旭川・北見)の4区分の地域別動向も併せて示していきたい。