大田堯先生を偲んで(北海道同友会常任理事 同友会大学学長 福山恵太郎)
2019年02月15日
昨年12月23日、30年余りの長きにわたり、同友会運動を精神的に支えていただいた、日本教育学会元学長の大田堯先生がご逝去されました。満100歳。心からの敬意と感謝、哀悼の気持ちを捧げます。
東大教育学部長、都留文大学長を歴任された大田先生と同友会との関わりは、大久保尚孝元代表理事との縁がきっかけでした。
先生は、生命(いのち)の視点から教育を考え、人間という生き物の特性を示し、いかに人間が成長できるかを示唆してくださいました。
①人間は一人ひとり皆違う。その違いを持ち味として発揮させ、出番を与えることによってやる気がでる②人間はめあてを持ち、主体的に生きる動物。めあてに対し分別を重ねながら成長する。社会的な大きなめあてをもとう③人間は他者との関わりの中で学び成長する。あてにし、あてにされながら皆が助けあい、共に育っていくのが「共育」。
同友会は人間尊重の経営を大事にしています。その根源は、人間が人間らしく生き、充実した人生と生命の燃焼を希求する運動に他ならないからです。
先生は同友会に、人間を取り戻す運動を行ってほしいと願い、私たちを叱咤(しった)激励してくれたのだと思います。ご冥福をお祈りいたします。
(ベル食品 会長 福山 恵太郎)