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【1世紀企業47】 越山ビルディングズ(札幌市) 街の変遷見守りビル経営

札幌の地に生かされ105年

 

 札幌の地に根付いて105年。道都の街並みの変遷をビル経営の視点から見守ってきました。

 

 新潟県をルーツとする越山家が北海道との関わりを持ったのは明治時代のこと。石炭が採掘されていた夕張に渡り、炭鉱で使う機械向けの潤滑油の卸商を始めます。商売は堅調に伸び、1913(大正2)年、本道で商売を始めてから2代目となる友之氏が札幌に拠点を移します。これが同社の創業となります。

 

 友之氏は潤滑油に加え、炭鉱で使用する消防ホースや耐火服なども取り扱い、事業の幅を広げていきます。同時に、本州に比べて土地が安いことに着目し、土地の購入を進めていきます。旧越山ビルが立っていた、札幌駅前通沿い、札幌市中央区北2条西3丁目の土地も昭和初期に市から取得しました。

 

 石炭は1950年代までエネルギーの主役でしたが、その座が石油に移り変わっていく中で、炭鉱向けを主としてきた同社の事業も見直しを迫られます。そこで、3代目となる司氏に代替わりするのに合わせ、不動産賃貸業に転換。64(昭和39)年にビルを建て替え、社名も越山ビルディングズと改めます。地下に飲食店街を備えた地上7階建てのビルは、建物の魅力と立地の良さが相まって、次々に入居が決まっていきました。

 

 同社がまちづくりに参画し始めたのもこの頃です。司氏は駅前通の魅力を高めるため、近隣のビル所有者に呼び掛け、ガス灯や時計が付いたモダンな街路灯を設置する活動に取り組んでいきました。

 

 そこから約50年。オフィスビルに求められる機能は変化しました。老朽化も進んだことから4代目社長の元氏、会長の友直氏が隣接するビルと共同で再開発することを決断。2017(平成29)年3月、現在の札幌フコク生命越山ビルが開業しました。

 

 ビルは駅前通の地下歩行空間と直結するほか、階段広場が開放的に連なるステップガーデンを採用するなど、憩いの空間づくりに向けた工夫をちりばめています。元氏は、にぎわいある地域づくりを進める、札幌駅前通まちづくり会社の初代社長を務めた人物。「まちを元気にしたい」という信念が体現されています。

 

 新ビルの開業と同時に、社長のバトンを受け取った克志氏にも、この精神は引き継がれています。駅前通沿いの再開発が加速しようとしている中、札幌の玄関口としてふさわしい景観を検討する、協議会組織の座長を務めています。

 

 「当社は札幌の地に生かされて、ここまでやってきた。恩返しのつもりで、住んでみたい、住んで良かったと思われるまちづくりに協力していきたい」と話す横顔に、熱がこもっています。