障がい者雇用で共生社会 札幌支部が企業づくりフォーラム
2019年01月15日
札幌支部障がい者問題委員会は11月13日、ポールスター札幌で「障がい者雇用を通して企業づくりを考えるフォーラム」を開催し、会員企業のほか、福祉事業所や特別支援学校、行政などから計127人が参加しました。
はじめに、日鐵鋼業の能登伸一社長(広島同友会副代表理事)が講演。同社が障がい者雇用に踏み切ったきっかけは、広島同友会バリアフリー委員会の「障がい者就業体験実習」の受け入れ企業になったことでした。
能登氏は、「障がいがある実習生の底抜けの明るさとひたむきな働きぶりが、社内の雰囲気を変え、既存社員の仕事に対する意欲を次第に上げていきました。実習生を迎えるまでは、鋼材を取り扱う危険な現場で障がい者が仕事をすることは不可能だと私は考えていました」と回顧。
「彼の障がいを理解し、困難を乗り越える工夫を凝らしながら、本人も社員も活躍できる場をつくることができました。まずは『知る』ことから始まった当社の障がい者雇用は、現在の会社風土に大きく影響しています」と語りました。
パネルディスカッションでは、能登社長、障がい者を既に雇用している、ひがしリサイクルサービスの東龍夫社長、障がい者雇用を検討している、北海道コカ・コーラプロダクツの小松剛一社長の3人がパネリストとして登壇しました。
東氏は「障がい者と健常者が地域で共に生き、仕事を共にすることは当たり前のことと認識しています。中小企業経営者は就業体験実習などを利用し、障がい者雇用に対するハードルを下げた活動をしてほしい」と、雇用を考える企業に訴えました。
障がい者の個性を生かし、本人、社員、企業共に満足できる共生社会を考えた活動をしていくことが、中小企業経営者共通の課題であることを学び合いました。