気流
2018年09月14日
7月に西日本を襲った豪雨は各地に甚大な被害をもたらしました。神戸市では、山陽新幹線の線路脇の約400平方メートルの斜面に設置されていたソーラーパネルが倒壊し、新幹線が安全確認のため一時運行を見合わせました。
日本では、民主党政権の政治主導でソーラーパネル設置の規制が緩和され、建築基準法ならびに工場立地法から除外されたことにより環境影響評価の適用外になっています。事実上、無許可でどこにでも設置できるため、全国各地で太陽光発電施設の建設が急速に進みました。
山肌を切り崩して建設される一部の太陽光発電施設は、景観破壊を引き起こすだけではなく、山の保水機能の低下による水害や土砂崩れの要因になっているとの指摘もあります。しかしながら、太陽光発電に関する環境影響評価基準は、長野県など一部の自治体で一定規模以上の発電所を環境影響評価条例の対象に定めるにとどまっています。
同友会では、2016年7月に開催された中同協第48回定時総会において「中小企業家エネルギー宣言」を採択。「エネルギーシフトで持続可能な社会を創りましょう」という理念を掲げました。しかし、現在の太陽光発電のように環境破壊につながる可能性のあるずさんな運用体制のままでは、この理念の実現は望めません。我々が目指すエネルギーシフトをどのように実現させるのか。同友会の環境に対するビジョン、戦略そして実践力が問われています。