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同友会は、中小企業の繁栄と、そこで働く全ての人の幸せを願い、地域社会の発展のために活動しています。

中小企業憲章8周年記念セミナーパネルディスカッション

経営課題解決へ事業性評価活用

ミドルリスク先こそ総力支援

 

 6月19日開催の中小企業憲章制定8周年記念セミナーで、「中小企業の経営課題に寄り添い 解決するためにできること」と題してパネルディスカッションを行いました。パネリストは、特定非営利活動法人日本動産鑑定の森俊彦会長、帯広信用金庫の秋元和夫常務執行役員地域経済振興部長、中小企業庁北海道よろず支援拠点の中野貴英チーフコーディネーター。進行役は北海道中小企業家同友会の守和彦代表理事が務めました。当日の模様をお伝えします。

 

※森氏の当日の講演録はこちら


 守 自己紹介と森会長への質問をお願いします。

 

帯広信用金庫の秋元氏

 秋元 当金庫は、2001年に「地域貢献マスタープラン」を作成しました。「地域の全ての人々・事業先を対象とし、見返りは求めない」ということもうたっています。これを全職員で共有し、組織活動に生かしています。09年に産業・経済振興に資するものを一元化する「地域経済振興部」を設立。現在は10人体制で、地域、生産者、事業者等が抱える課題解決に取り組んでいます。事業性評価の具体的な活用方法について質問します。

 

 

北海道よろず支援拠点の中野氏

中野 私は都市銀行の事業調査部、経営コンサルタント会社勤務を経て、07年にコンサルタント会社を創業しました。よろず支援拠点は、国が設置した無料の経営相談所として14年に開設されました。相談件数は年々増え、昨年度は5000件以上でした。質問は、事業性評価がより活用されるためにはどのようなことが必要か教えて下さい。

 

 

 

 

日本動産鑑定の森氏

  金融機関にとって多少リスクがあるミドルリスク先の中で①誠実で、②やる気があり、③キラッと光る商品・技術を持っている中小企業を、事業性評価に基づく融資等で総力を挙げて徹底的に支援する。その際には短期間でビジネスモデルを確立することが大事です。間違っても事業性評価をつくることを目的化にしてはなりません。

 

 

 

守 中小企業の現状や課題に対する取り組みを聞かせて下さい。

 

 中野 相談件数は設立年度から5割増となっています。内訳は、売上に関する悩みが5割、経営改善に関する悩みが3割、創業に関することが2割です。

 

 ある経営者が廃業の相談に来ました。話をするうちにできれば継続したいと思っていることがわかり、自社の強みを明確化し、取引先を訪問してもらいました。その結果、新規の仕事を得ることができたのです。金融機関には資金繰りのサポートをしてもらい、その企業は3年間売上利益増を続けています。

 

 私はチームでの支援にこだわっています。相談の多くは金融・支援機関からの紹介ですが、紹介してきた担当者にもチームに加わってもらい、寄り添った支援を行っています。

 

 秋元 課題解決のために長期的な視点に立って、包括的・体系的・継続的で、一貫した支援を行っています。15年度から開催している「とかち・イノベーション・プログラム」は、全国の革新的経営者と地域人材が出会い、新事業・創業者を生み出す取り組みです。これまで5社の新会社が生まれ、2社が事業化に向けて始動中です。各機関に協力してもらい実施している商品開発技術やマーケティングの相談会、大学・試験研究機関等との共同研究、展示・個別商談会も成果を上げています。

 

 また、産業の面的支援として、十勝の清酒づくりの復活と新たな食文化創造に取り組む「とかち酒文化再現プロジェクト」、酪農の持続性を高め、高付加価値の6次化産品を生み出す「ナチュラルチーズ共同熟成庫」の取り組みも支援しています。

 

 守 最後に一言お願いします。

 

 森 総力の結集無くして難局を乗り越えられません。ここに集まっている皆さんの総力を結集しましょう。

 

 秋元 金融機関がリスク許容度を高めるに当たり、中小企業の皆さんに①本音で話して欲しい、②金融機関をパートナーとして位置付けて欲しい、とお願いします。

 

 中野 中小企業憲章の理念を再確認できました。その理念に基づき、各機関と連携し、持続可能なビジネスモデルを構築していきます。

 

守 中小企業は企業数の99・7%、雇用者数の70%を占め、まさに地域のインフラです。今日、持続可能な地域づくりを進めなければ、国は成り立たなくなってしまいます。つまり一社一社の中小企業に活力がつくことが、国づくりにつながるのです。各金融機関・支援機関と連携し、中小企業者が活力をつけるために一歩踏み出す決意を固めましょう。