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10-12月期北海道地域景況調査 改善は2四半期しか続かず 18年前半も後退見込む 従業員不足が切実な問題

 中小企業家同友会全国協議会と北海道中小企業家同友会が四半期ごとに実施している景況調査結果(2017年10―12月期)がこのほどまとまりました。全国では2367社中947社が回答。うち北海道では507社中172社から回答を得ました。この結果について、北海学園大学経済学部の大貝健二准教授(中小企業論)にコメントを頂きました。(DI値は特に断りのない限り前年同月比、▲はマイナス、①―④は四半期)


 北海道中小企業家同友会17年第4期(10―12月)の業況判断DI(前年同期比)は、前回調査から6・1㌽の悪化を示し、マイナス1・2となった。17年第2期からの景況感の改善はわずか2四半期しか続かなかった(図1)。

 

 この業況判断DIの動向は、日銀短観や中同協DORなどの結果とは異なる。他調査では今期まで景況感の改善が見られ、次期で悪化見通しとなっているように、少なくとも四半期程度のタイムラグがある。北海道の景気動向については、「飛行機胴体の最後部」(景気回復は最後に、景気後退は最初に)といわれている。この表現が正しく、今期の結果をもって北海道が先んじて景況感の悪化を示したと理解するならば、18年前半は、景況感は後退局面が続くものと考えられる。

 

 今期調査の売上高DI、採算DI、業況水準DIは、ほぼ横ばいないしは悪化を示したほか、次期見通しに関しても改善する兆候はあまり見られない。仕入単価や販売単価DIの推移からは、販売単価の上昇幅よりも仕入単価の上昇幅の方が大きく、両者のギャップが拡大している(図3)。また、1人当たり付加価値額は6㌽強の改善幅を示したものの、1人当たり売上高の改善は弱いというように、ちぐはぐ感が否めない(図4)。

 

 業種別(図2)に主要指標を見ていくと、17年第2期から継続して景況感の改善が見られていた建設業でストップする可能性が出てきたほか、製造業の低迷が気がかりである。先日の景況調査分析会議では、建設業の動向をどのように判断するかが議論になった。より詳細に建設業の指標を見ると、とりわけ次期見通しにおいて、「官需中心」の建設業では堅調な推移見通しだが、「民需中心」では、大幅な悪化見通しであった。とはいえ、建設業の回答数がわずか38社であり、1社あたりの割合が大きくなることと、多くの企業は「横ばい」であることから、過度に深刻に捉える必要はないが、心積もりは必要かもしれない。詳細な結果については、北海道中小企業家同友会ウェブサイトに掲載しているので、そちらを参照いただきたいと宣伝するとともに、調査の正確性を増すためにも、今後も多くの回答に期待したい。

 

 次に、今期の経営上の問題点、次期の経営上の力点である。こちらも詳細に関しては調査レポートを参照頂きたいが、「従業員の不足」が17年第2期に最上位になり、今期は突出した結果となった。業種別にみると、特に建設業やサービス業での割合が高くなっている。また、今期業況判断が悪化した建設業と製造業に注目すると、建設業では熟練技術者の確保難や下請け業者の確保難が切実な問題になっていること、製造業で仕入単価の上昇や人件費の増加がネックになっていることが明らかになっている。そして、これらの問題点への対応として、建設業では人材確保と社員教育が、製造業では経費節減と機械化促進が挙げられている。

 

 最後に、新聞報道では景気拡大期間が続いているとの報道とともに、人手不足に起因する廃業の増加、後継者不足による事業譲渡に言及する記事も増えてきた。経営理念の実践的なレベルアップを図るとともに、長期的なビジョンを描いていく必要がさらに強く求められている。