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【1世紀企業 44】伊藤塗工部(札幌市)

2018年06月15日

本道の塗装業発展けん引 引き継がれる”和”の精神

 

 建築物塗装から金属製品の工場焼き付け塗装、橋梁塗装、マンションやビルの大規模修繕工事、住宅リフォームまで手掛ける伊藤塗工部。本道を代表する塗装会社として知られ、ことし1月に創業100周年を迎えました。

 

 創業者の貞吉氏は1895(明治28)年に福井県で生まれますが、3歳で父を亡くし札幌市に移住。小学校卒業と同時に市内の塗装店に弟子入りします。でっちの身でありながら年上の職人を連れた出張仕事を任されるなど、その腕は際立っていました。

 

 修業を終え、1918(大正7)年に伊藤塗工部・伊藤硝子部として創業。道内で初めて塗装にコンプレッサーを使用するなど最新技術を追い求める一方、昭和10年代から塗装業界で働く人たちの地位や技能の向上に向け、北海道初となる塗装組合の発足、全国団体の道支部創設と業界をけん引していきます。

 

 昭和30年代から40年代にかけ、2代目を継ぐことになる正男氏が会社の礎を築いていきます。北海道庁新庁舎をはじめ、多くの新築塗装に関わっていくほか、冬場の仕事を少しでも確保できるよう金属製品などの工場内塗装に着目。塗装機械の導入に当たっては資金調達に大変苦慮しましたが、現在の焼き付け塗装につながっていきます。

 

 昭和50年代に入ってからも自社の職業訓練校開校や職人を含めた通年雇用の完全実施と、革新的な取り組みを図っていきます。

 

 着実な成長を続けていた同社ですが、バブル崩壊後の景気低迷に苦しみます。その真っただ中の97(平成9)年に3代目社長に就任した清治氏。札幌青年会議所理事長まで務めた統率力と人脈、そして「会社は社員が充実した生活を送るためのステージであり続ける」という強い信念で荒波に立ち向かいます。幸いにも、10年ほど前から他社に先んじて参入していたマンション大規模修繕事業が時代のニーズを捉え、経営を支える一つの柱になります。

 

 しかし、残酷にも病魔に冒されます。残された時間は少なく、東京でシステムエンジニアをしていた長男の龍平氏が意を決して入社。父に付いて2年間、塗装業界のイロハを必死に学びました。

 

 父の死を受け、30歳で社長に就任してから今夏で丸10年。龍平氏は、創業時から引き継いできたの精神をあらためてかみしめ「指示されるまでもなく困っている部署、人がいれば、自然と手を差し伸べる。社外に対しても。そうした社風が財産」と語ります。「一人一人の自己成長が会社の発展につながる。塗装技術の研さんはもとより、各種技術を身に付けた多能工を育成しながら、塗りをベースとした総合仕上げ業者を目指したい」