1. 全体の動向
1-1. 業況判断DI(前年同期比)は9.4Ptの改善:▲8.9から0.9へ
※他調査(日銀短観等)との比較:いずれの調査においても改善しているが、本調査の改善幅が大きい。
→次期見通し:日銀短観では悪化見通しであるのに対し、本調査では「ほぼ横ばい」見通しである。
1-2.売上高DI、採算DI、採算水準、業況水準(前年同期比)
【売上高】6.7Ptの改善(▲6.7→0.0)(次期:6.4Ptの改善(0.0→6.4)
【採 算】ほぼ横ばい(▲5.7→▲5.8)(次期:4.6Ptのやや改善見通し;▲5.8→▲1.3)
【採算水準】前回調査から9.1Ptの改善(16.5→25.6)
【業況水準】ほぼ横ばい(▲5.0→▲5.2)(次期:5.7Ptの改善(▲5.2→0.6)
1-3.仕入・販売単価、1人当たり売上高、1人当たり付加価値額
・仕入単価DI:前回調査から7.1Ptの上昇(25.0→32.1)
・販売単価DI:前回調査から4.0Ptのやや上昇(▲5.8→▲1.8)
※仕入単価DIと販売単価DIのギャップは33.9に、2017年に入ってから拡大持続
1-4.1人当たり売上高、付加価値額
・1人当たり売上高:▲15.6→▲6.9(前回調査より8.8.Ptの上昇)
・1人当たり付加価値額:▲16.9→▲6.4(前回調査より10.5Ptの大幅な上昇)
1-5.人手の過不足、資金繰り、設備の過不足
【人手の過不足】不足感の更新が続く(54.0)、他方で過剰感も16年3期から上昇中。
【資金繰りの状況】順調が初めて50%を上回る。余裕感と窮屈感の後退。
【設備の過不足】ほぼ横ばい推移
2.業種別動向
2-1.業況判断:サービス業以外、とりわけ建設業、製造業で大幅な改善を示すが、サービス業は大幅な悪化
建設業:23.5Ptの大幅な改善(▲8.8→14.7)、製造業:12.8Ptの大幅な改善(▲17.1→▲4.3)
流通商業:6.2Ptの改善(▲7.7→▲1.4)、サービス業:10.0Ptの大幅な悪化(5.9→▲4.2)
次期見通し:全体ではほぼ横ばい、建設業で悪化、サービス業でやや悪化見通し;流通商業の緩やかな改善
→次期見通しDI(建設業:5.9、製造業:2.1、流通商業:1.4、サービス業:▲8.3)
2-2.売上高:建設業での大幅な改善、サービス業を除いて改善
建設業:11.4Ptの大幅な改善(▲11.4→0.0)、製造業:9.4Ptの改善(▲7.3→2.1)
流通商業:3.2Ptのやや改善(▲9.0→▲5.7)、サービス業:3.8Ptのやや悪化(15.8→12.0)
次期見通し:建設業とサービス業で変化なしも、全体では改善の見通し
→(建設業:0.0、製造業:13.0、流通商業:3.0、サービス:12.0)
2-3.採算:サービス業で大幅な悪化が目立つ
建設業:6.0Ptの悪化(2.9→▲3.0)、製造業:4.7Ptのやや改善(▲22.5→▲17.8)
流通商業:6.2Ptの改善(▲9.2→▲3.0)、サービス業:23.6Ptの大幅な悪化(31.6→8.0)
次期見通し:建設業、サービス業でやや悪化見通し(建設業は3期連続悪化見通し)
→(建設業:▲6.7、製造業:2.3、流通商業:▲1.6、サービス:4.5)
2-4.採算の水準:建設業、製造業で大幅な改善、サービス業で大幅な悪化
建設業:21.2Ptの大幅な改善(14.3→35.5)、製造業:35.7Ptの大幅な改善(▲5.7→30.0)
流通商業:ほぼ横ばい(25.0→25.8)、サービス業:42.1Ptの大幅な悪化(46.7→4.5)
2-5.業況水準:製造業での大幅改善、流通商業、サービス業での悪化
建設業:横ばい推移(5.9→5.9)、製造業:15.9Ptの大幅な改善(▲24.4→▲8.5)
流通商業:8.8Ptの悪化(▲1.5→▲10.3)、サービス業:5.9Ptの悪化(5.9→0.0)
次期見通し:建設業を除いて改善見通し
→(建設業:2.9、製造業:▲6.4、流通商業:1.5、サービス業:8.3)
2-6.人手の過不足、資金繰り、設備の過不足
【人手の過不足】建設業、サービス業で▲50台(前回同様)。他の業種でも▲30〜40台。人手不足が顕著
【資金繰りの状況】サービス業で大幅な悪化を示した以外は、堅調に推移?
【設備の過不足】サービス業で不足感の高止まり継続、他業種では改善。
3.規模別動向
3-1.業況判断:全規模層で改善(但し、20人以上50人以上規模はほぼ横ばい)、かつ改善幅は大きい
20人未満:12.3Ptの大幅な改善(▲12.3→0.0)、20〜50人:ほぼ横ばい(▲3.7→▲3.4)
50〜100人:17.4Ptの大幅な改善(▲7.4→10.0)、100人以上:14.0Ptの改善(▲18.8→▲4.8)
次期見通し:20人以上50人未満規模のみ大幅な改善見通し、20人未満、100人以上規模での悪化見通し
→次期見通しDI(20人未満:▲10.0、20〜50人:6.9、50〜100人:13.3、100人以上:▲9.5)
3-2.売上高:20人未満規模層を除いて改善(規模が大きい方が改善幅が大きい)
20人未満:1.6Ptのやや悪化(▲6.8→▲8.3)、20〜50人:6.5Ptの改善(1.8→8.3)
50〜100人:21.1Ptの大幅な改善(▲10.7→10.3)、100人以上:10.7Ptの大幅な改善(▲25.0→▲14.3)
次期見通し:全体的に改善基調(20-50人規模層はほぼ横ばい)
→(20人未満:▲7.0、20〜50人:8.2、50〜100人:24.1、100人以上:▲5.0)
3-3.採算:50人以上規模で改善幅が大きく、50人未満規模では悪化
20人未満:7.3Ptの悪化(▲3.4→▲10.7)、20〜50人:8.7Ptの悪化(1.9→▲6.9)
50〜100人:10.6Ptの大幅な改善(▲3.7→6.9)、100人以上:23.3Ptの大幅な改善(▲33.3→▲10.0)
次期見通し:緩やかではあるが、全体的に改善の見通し
→(20人未満:▲4.2、20〜50人:▲6.9、50〜100人:10.7、100人以上:23.3)
3-4.採算の水準:全体では9.1Ptの改善だが、50人以上規模での悪化が目立つ
20人未満:26.6Ptの大幅な改善(3.8→30.4)、20〜50人:ほぼ横ばい(6.5→5.8)
50〜100人:11.5Ptの大幅な悪化(43.5→32.0)、100人以上:8.3Ptの悪化(53.3→45.0)
3-5.業況水準:20人以上50人未満を除いて改善、20人以上50人未満規模は大幅な悪化
20人未満:10.2Ptの大幅な改善(▲10.2→0.0)、20〜50人:13.9Ptの大幅な悪化(1.9→▲12.1)
50〜100人:14.1Ptの大幅な改善(▲7.4→6.7)、100人以上:1.5Ptのやや改善(▲6.3→▲4.8)
次期見通し:20人未満規模を除いて改善の見通し
→(20人未満:▲5.1、20〜50人:▲1.7、50〜100人:20.0、100人以上:0.0)
3-6.人手の過不足、資金繰り、設備の過不足
【人手の過不足】100人以上規模での著しい不足感は緩和(▲73.3→▲47.6)
【資金繰りの状況】全体として10-20台で推移
【設備の過不足】50人以上100未満規模で不足感の高止まり
4.経営上の問題点、次期の経営上の力点
【経営上の問題点】
高まり続けていた「従業員の不足」が大きく低下した。今期の特徴は、珍しく30%を上回る項目がないということである。項目が分散したという印象か。上位3項目は、「民間需要の停滞」(29.8%)、「同業者間の価格競争の激化」(29.2%)、「人件費の増加」(25.0%)、「従業員の不足」(25.0%)である。
【経営上の力点】
人材確保、社員教育の回答割合が大きく低下。上位3項目は、「新規受注の確保」(49.4%)、「付加価値の増大」(46.6%)、「人材確保」(35.2%)。
経営上の努力・コメント一覧
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