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業況判断は4期連続悪化、来期に期待感 調査データ・資料
業況判断は4期連続悪化、来期に期待感〜北海道地域景況調査(2007年1〜3月期)概要〜
1.業況判断DIは悪化

 第1表の業況判断DI(「好転の割合」−「悪化の割合」)の北海道全業種合計を見ると、2007年1〜3月期は2006年10〜12月期調査より1.9ポイント悪化し、4期連続の悪化となりました。また、全国の全業種合計では4.9ポイントも悪化しており、全国的に悪化基調となっています。北海道の地域別で見ると、札幌は6.6ポイント好転していますが▲17.9と依然厳しく、札幌以外では10.4ポイントも悪化しています。業種別では、サービス業のみ9.8ポイント好転しているものの、建設業は8.0ポイント悪化、流通・商業が4.4ポイント、製造業も3.9ポイント悪化しました。
 2007年4〜6月の見通しでは、1〜3月期より全業種合計で18.0ポイント好転と予想。特に製造業では26.4ポイント好転し、06年度では初めてプラスに転じ、サービス業では29.1ポイントと今期に続いて好転するとの前向きな結果も出ており、来期への期待が高まっています。地域別では、札幌が19.7ポイント好転してプラスに転じ、回復の兆しが見えてきているものの、札幌以外は▲10.6となお水面下のままであり、楽観は禁物です。

2.売上高DIは、建設業、流通・商業の悪化や地域間格差が目立つ

 第2表の売上高DI(「増加の割合」−「減少の割合」)の全業種合計は、2007年1〜3月期(今期)が06年10〜12月期(前期)より4.2ポイント悪化。特に建設業は17.1ポイント、流通・商業が6.9ポイント悪化しており、昨年と比べて除排雪の仕事が少なかったことや、暖冬だったことも影響しているようです。地域別では、札幌が6.9ポイント好転しているのに対し、札幌以外は15.5ポイント悪化と正反対の結果となっています。
 第3表の経常利益DI(「増加の割合」−「減少の割合」)の全業種合計は、今期が前期より0.1ポイントの悪化とほぼ変わりません。ただ、製造業は9.6ポイント好転、逆に流通・商業は15.6ポイントも悪化と、業種で明暗が分かれました。また、地域別でも、札幌が7.5ポイントの好転、札幌以外は8.1ポイントの悪化となっていますが、07年4〜6月期は売上高DI、経常利益DIとも好転の見通しです。
 第4表の採算水準DI(「黒字企業の割合」−「赤字企業の割合」)の全業種合計は、07年1〜3月期が▲3.4と、06年度で初めて赤字企業の割合の方が多くなってしまいました。
 第5表1)仕入単価DI(「上昇の割合」−「下降の割合」)では、全業種合計が前期より8.3ポイント減少。この間、原材料費の高騰が経営上の課題になっておりましたが、若干落ち着いてきたようです。ただ、建設業では北海道が21.3ポイントも減少、一方全国では3.5ポイント増加と需給関係のアンバランスが伺われます。
 第5表2)の販売単価DI(「上昇の割合」−「下降の割合」)の全業種合計は、前期より5.1ポイント悪化。特に、流通・商業では19.2ポイントも悪化し、価格競争の厳しさを物語っています。

3.人手不足感は強まり、製造業の設備投資が活発化の兆し

 第6表1)人手の過不足DI(「過剰の割合」−「不足の割合」)の全業種合計を見ると、前期より1.8ポイント不足感が強まっています。地域別の比較では、札幌が前期の▲6.1から今期の▲16.3といっそう不足感が強まっているのに対し、札幌以外では逆に▲2.7から4.9と過剰との結果になっています。
 第6表2)設備の過不足DI(「過剰の割合」−「不足の割合」)の全業種合計では、前期の▲17.4から今期の▲13.2へ若干不足感は弱まっています。しかし、製造業は8.2ポイントも不足感が強まっています。製造業の設備投資状況を見ると、今期は回答企業55社中13社(23.6%)が設備投資を実施、2007年4〜6月期には55社中17社(30.9%)が計画しており、春以降に設備投資が本格化しそうです。
 現在の資金繰りDI(「余裕の割合」−「窮屈の割合」)を見ると、全業種合計では3.6ポイント好転してプラス2.6となり、やや余裕が出てきているようです。借入金利DI(「上昇の割合」−「低下の割合」)は、33.8から今期の37.1と上昇傾向を示しています。長期は、24.9から24.4とほぼ同じです。
 「経営上の力点」を見ると、1番目が「新規受注(顧客)の確保」(64.7%)、ついで「付加価値の増大」(45.2%)、「社員教育」(30.8%)となっています。記述していただいた「経営上の努力」でも、「新規取引先の確保」「新事業の模索」が目立ちました。今期は特に、「借入金の圧縮」「利益確保」「金利交渉」「経費の圧縮」など「財務体質の強化」に関するものが多いのが特徴です。また、「経営理念、方針の再確認」「経営指針づくり」「雪解け後の仕事確保のため、営業活動に重点を置いた」「来期の方針と目標の設定と具体化」など、新年度にむけた準備が活発化した1〜3月期となったようです。

〈調査要領〉
調査時点 中小企業家同友会全国協議会が2007年の3月5日〜15日に実施した景況調査に合わせておこなった。
調査対象と回答企業 全国では2,407社から941社の回答、北海道は地域・業種を勘案して抽出した600社の会員企業から221社の回答を得た。
平均従業員数(役員含む・パートを除く) 全国40.1人 全道45.4人
※DI値は特に断りのない限り前年同期比。▲はマイナスを示す。

※参考

○DOR業況判断のDIの推移(全業種、前年同期比)
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